先生は生徒がいて初めて先生なのです。from 俺たちの旅

先日、突然亡くなってから、iTunesVAN HALENばかり聞いています。 しっとり聞かせるバラード曲はやはり、Sammy Hagarでしょうか。 でも、個人的にやっぱりボーカルはDavid Lee Rothです。

この人の場合、ボーカル譜は存在するのでしょうか・・・ サビの部分以外はほぼシャウトです。 譜面に出来ない様な気もします。

このシャウトをおかずにVAN HALENのギターを楽しむが最高です。

さて、本日は日曜日なのですが、6時前に目が覚めてしまいました。 ガーさんはいつものように4時半には起きて隣の部屋でせっせと家事をしています。

 

土日は出勤しませんが、Skypeの授業があります。 昨日の土曜日も4時間半の授業がありました。

 

本日は午後6時から3本(3時間のみです)

 

昨日、朝早く学校にいる実習生からメッセージが届きました。

 

「先生、今、会話する時間がありますか」

 

まだ、19歳の彼女は来月あたり日本に行く予定なのですが、今ひとつ日本語を聞き取ることが出来ません。 金曜日も彼女を含め6人のグループに対して一日中、会話をしました。

 

日本に行くまでに最低限の日本語レベルまで到達しなければなりません。 ちなみに、彼女は空手のその場蹴りがともて上手です。 実にスムーズに蹴り、引き足も強く早いのです。

 

日本語のレベルは彼女自身も「まずいな〜」と言う認識があるのでしょう。 でなければ、土曜日の朝早くから連絡をしてくるはずがありません。

 

残念ながら日本人のオジサンは土曜日も朝からSkypeの授業があるのです・・・ でも、何とかしてあげなくてはいけませんね。

 

時々、Skypeの授業にプレッシャーを感じる事があります。

 

“1時間”という絶対的な時間があるので、制限時間以内に授業を終わらせなくてはいけません。

 

生徒の定員は4名です。 生徒都合で欠席が生じて、3人、2人になれば授業にも余裕が出るのですが、満員御礼になり、さらに話しが長い生徒が2人でもいると、ヒヤヒヤしっぱなしです。

 

ヒヤヒヤすると、タイプミスが多くなります。 私はそこそこ早くタイプをすることができますが、指の運びに無駄があります。 特に、右手の人差し指の守備範囲が広すぎるのです。 本来中指でタイプするべき「キー」に人差し指が遠征してしまいます。

 

直そうと思い、タイピングのアプリで練習しています。 練習中はモニターに表示された正しい指でタイプが出来るのですが、実際の授業になり、生徒の会話に追われてしまうと自己流に戻ってしまうのです。

 

日本語をタイプする際、無意識で次の単語を予想しながらキーを叩いています。 ただ、Skypeの授業では予想しない単語が飛び出します。

 

例えば、「子供の頃、私の家は貧乏だったので、生活は・・・・」と言われれば、指は勝手に「苦しかった」「大変だった」を想像して指は「K」か「T」で待機します。

ところが、予想していない単語が飛び出します。 その修正にワンテンポ遅れてしまうのです。

 

ホーチミン時代の授業予定表を見ると、夕方から5時間連続で授業をしているのですが、今では考えられません。 現在は3連続が集中力の限界です。

 

昨日の18時からは「基礎クラス」がありました。 参加生徒は2名だけだったので、精神的に余裕があります。

 

また、このレベルだと生徒が話す単語も簡単だし、スピードもゆっくりです。

 

25歳の女子生徒がいましたが、

 

「日本にどれくらい住んでいますか?」

 

に対して

 

「3日」

との回答。。。

3ヶ月の間違いではないか?と思ったのですが、10月7日に来たばかりだそうです。 熊本県での彼女の仕事は電子機器組み立てです。

技能実習生の場合、入国後1ヶ月間は組合による研修があります。

 

日本についてたった3日ですよ。

 

それなのに、1日6時間研修センター勉強をした後、自腹を切って夜の8時から授業を受けています。

 

なんと立派な女性なのでしょうか。。。 私も一段ギアがあがります。

 

次の授業は初級クラスです。 参加生徒はたった1人です。

 

生徒が2人以下の場合は10分早く切り上げて良いルールになっているのですが、そんな事はしません。 たまたま訪れたマンツーマンですから、1時間目一杯会話をします。

 

たった1人の生徒ですが、Dさんと言う男性です。 30台半ばの男性ですが、岩手県でITエンジニアの仕事をしています。趣味はサッカー観戦です。

彼はずーっと私の授業を選んでくれています。 各回、色々なテーマで会話をしているので、彼の家族構成や趣味、将来の目標など私も覚えてしまいました。

 

彼の日本語はとてもたどたどしいです。 一日何をしていたのか?尋ねていみましたが、ずーっと日本語を勉強したいたそうです。

 

勿論、彼に会ったことはありませんが、なんとなく想像出来ます。

 

とても真面目ですが、基本的に不器用な男性だと思います。

 

授業の前にはきっちりと予習をして設問に対して100%の回答を用意しています。 授業ではその回答をゆっくりと読み上げてくれるのです。 残念ながらテーマ以外の質問をしてみると、答えることができません。

でも、それで良いと思います。 彼のように真面目に生きていれば必ず誰かが見ているし、必ず花が咲きます。

 

最後の授業はマンツーマンクラスです。

彼もずーっと、私の授業を選んでくれています。

彼は埼玉県の北本市に奥さん、2人の子供と暮らしています。 私も住んでいた事がある街なので、地元ネタの話しもすることが出来ます。

 

彼は地元でCADなどのオペレーター、奥さんは大宮で不動産の仕事をしています。 彼は家を買うために住宅ローンを申し込みました。

 

また、ベトナムの食材を扱う店を持ちたいらしく、物件を探しています。 現在、東大宮か北本が候補地なのですが、どこも家賃が高くて苦労しています。

 

昨晩、授業の途中で娘さんが「お父さんみかん食べてもい〜い?」と聞きに来ました。 イアフォンではっきりと聞き取ることが出来ました。

 

ベトナム人夫婦から生まれた子供が日本の田舎に住み、流暢な日本語で勉強をしているお父さんに話しかけているのです。 こうなると、彼のアパートの中の様子が目に写ります。

 

彼には、食材店の看板とチラシを作ってあげるつもりです。 ご祝儀です。

 

世の中には「先生」がたくさんいますが、「生徒」がいて初めて「先生」です。

 

千代田区近辺にはあまりよろしくない「大先生」がたくさんいますが、真面目な日本国民がいて初めて「大先生」なのです。

 

来月から、日本に向け出国する実習生が一気に増えます。

「先生」は頑張らなくてはいけませんね。