学校をあげての仲秋祭なのです!さすが、若者です。盛り上がり方が半端ではない。

THUAN AN KYOTOでは9月13日に「仲秋祭」が盛大に開かれました。 日本ではお月見です。 ぱっと頭に思い浮かぶのは、縁側に置かれた月見団子、空を見上げれば「まん丸のお月さま」です。 ただ、こんな風に昔ながらの「月見」を楽しむ人は何人いるのだろうか?

寅さんとサザエさん位でしょうか。

送り出し機関で行われる「仲秋祭」は我々世代で言う所の学園祭の様なものです。 各クラスで「出し物」を企画して、1ヶ月以上前から放課後練習を重ねます。 寸劇であったり、ヒップホップ系のダンスだったり、ベトナムの伝統的な舞踊などクラスの個性が出ます。

 

一ヶ月ほど前にグエット先生から「諸川先生は何をしますか?」と聞かれました。 後になって考えれば、「他の先生方は?」と聞き返せば良かったです。

 

蓋を開けてみれば、舞台の上で「やった」のは私だけでした。。。

 

仲秋祭なる物に参加をしたのは初めてなのですが、寮で24時間管理の元、生活を送っている実習生からすると、これは「一大イベント」なのです。 先生公認で羽目を外す事が出来ます

当日は、午前中で授業終了。 実習生達は工夫をこらし教室を飾り付け、テーブルの上にお供え物飾りを作るのです。

 

これは教室対抗で競い合います。 審査対象は、教室の装飾とお供え物、そしてお供え物に対しての説明です。 適当にフルーツや花を飾っているのかと思いきや、物語があるのです。

例えば、この飾りにゼリーが逆さまに置いてあります。 これは「壁」だそうです。

そして、「壁の向こう」にあるフルーツは「実習生」です。 この壁を超えて活躍する!と言う深い意味が込められているのです。

 

目尻が下がってしまう様な愛らしい物、吹き出してしまうおバカな作品まで実習生の頑張りが見られます。

 

この可愛い被り物↓は反則レベルです。 高い点数を入れざるを得ません。

 

先生方で各クラスをまわり、採点し終わると、校庭に全員集合です。 PA、ライトがセットされた立派な舞台が出来上がっていました。

 

ダット先生、シム先生が司会を務めますが、二人共芸達者です。

 

実習生達は、練習の成果を発揮して見事なダンス、舞踏などを披露してくれました。

男女ペアでダンスをする様なクラスもありましたが、「照れ」がないのです。 そうか。。。 まだ彼らは男女ペアでオクラホマミキサーを踊っても恥ずかしくない歳なのです。

さて、問題は「私の出し物」です。 忙しいとか、高齢とか適当な言い訳をつけて、途中で断る事も出来たのですが、実習生達の頑張りを見ていると日本人として引き下がるわけには行きません。 生徒の熱意に答えてあげる必要があります。

 

さて。。。何をしようか。。。 54歳のスキンヘッドの日本人が舞台の上で歌ったって、誰も喜びません。 ギターでもかき鳴らせば良いのですが、2本ともホーチミンに置いてきてしまいました。

 

!!!か・ら・て!!!

 

仕方がありません、鞘から抜けないほど錆びきっていますが、伝家の宝刀「空手の形」を演武しましょう。 日本で世話になった、先生から言われせれば、空手は毎日稽古をしなければ「空手をやっている」と言ってはいけないそうです。 スーツケースの中で3年以上眠っている空手着です。 本来、空手経験者なんて言っては行けないのでしょうね。

 

突きだって、蹴りだって3年ぶり。。。いや、日本に居た最後の数年間だって、稽古をしていないので足掛け5年ぶり位でしょうか。

 

いきなりやって、舞台の上でひっくり返ると格好悪いので、一応、アパートで練習しました。

 

歳を取ると図々しくなるものですね。 300人を前にして舞台に上がっても全然緊張しないのです。

「空手に限らず、日本の武道は平和の為にある」と言う話しをします。

 

「平安初段!」←すみません。。。一番簡単な形なのですが、5年ぶりの御老体にはこれが精一杯です。 ただ、日本男児として恥ずかしくない様に、全力で演武しました。

 

実習生にとって、恐らく生まれて初めて見た空手の形でしょうかね。 ※本当の形はもっと格好良いのですよ。。。申し訳ない。。。

 

SNS全盛ですからね。 舞台の向こうでは実習生達がスマホを構えています。 おいおい。。拡散しないで頂戴よ。。。

 

・・・残念ながらライブ配信されてしまい、ホーチミンの先生から「格好良かった」とメッセージが届いたのでした。 来年はもう少し、難しい形に挑戦しましょうね。 いや、来年に向けて先生たちでロックバンドを結成しようかな?