もうやりたくないし、出来ない仕事

南青山の写真事務所に10年間世話になっていたことがあるので、気合を入れれば素人さんよりは多少キレイに写真を撮る事が出来ます。

 

Illustratorを使えるので、ロゴマーク、紙媒体やwebsiteもある程度はデザイン出来ます。

 

こんな感じでデザインしてみて!と言われて、幾ら悩んでも全く気に入った物が出来ない時と、あっという間に何か“降りてきて”自分でも、ギョッと驚くほど良いものが出来る時があります。

 

これまでに作って来たもので、体力的にも、もう一生出来ないだろうなーと思う、スライドショーがあります。

 

以前、墨田区の高齢者支援センターで働いていた事があります。

 

その時、同僚だった斎藤さんが結婚することになり、披露宴の途中で、新郎新婦の生まれてから最近までの写真に音楽を入れたスライドショーを流したいと言うのです。

 

披露宴の数ヶ月前から、斎藤さんと、写真をセレクトして、音楽を選曲、キャプションを入れ入念に準備をしました。

まあ、これは、時間があったので、余裕で完成したのですが問題はこの後です。

 

斎藤さんからの無茶ぶりで、披露宴に来てくれたご両親、親戚、友人の写真を当日撮り、披露宴の最中にスライドショーを制作~完成させ、披露宴のエンディングで流したいと言うのです。

 

作業が遅れちゃったから間に合わない。流せませーん。。では済まされません。

 

いかなる理由でも絶対に遅れることが出来ないので、前日、浅草にある、新郎新婦と同じホテルに一泊して当日は、結婚式のリハーサルから撮影開始です。撮影枚数が多すぎると、セレクトに時間がかかるので、撮りながらモニタで確認しながら、NGカットは捨てていきます。

 

そして、いよいよ披露宴の開始です。

 

撮り忘れて、●●さんだけスライドショーに入っていませんでした。。。が許されないので、にこやかな雰囲気の中、私だけ血走った目でシャッターを切ります。

 

また、こういう時に限って遅れてくる野郎。。失礼。遅れてくるお方がいらっしゃいます。

 

こっちは、早く編集を始めないと、エンデイングまでに完成させる事が出来ません。

 

さて、それでも、全員の写真を撮り終わり、受付の思い扉がバタンと閉まり、部屋の中で拍手喝采が聞こえると同時に、120分一本勝負の始まりです。

 

ビールだのご馳走だのなんて、食べている時間はありません。

 

時々、トイレの為に出てきた、半分酔っ払った友人に“大変だねー”などと、からかわれながらも必死で作業をする事約90分!

 

間に合いました!

 

終わった途端に安堵でぐったり。。してしまいましたが、スライドショーがエンディングで流れた際に、感動して号泣する友人がいたり、さっき、撮ったばかりの写真なのにどうして?と聞かれ。。。

 

あー。斎藤さんの一生の思い出に刻んで貰って良かったです。

 

でも、もうやりたくないですね。。。

※斎藤夫妻にも子供が出来て、今は、家族3人仲良く暮らしているとの事。。。良かった。。。

末永くお幸せに!!