瞬間湯沸かし器と謎のラトビア人

ここ数年人からも言われる様になったのだが、私は気が短い。 よく歳をとると丸くなると言うが、私の場合はトンがる一方だ。 道を歩いていても、バイクに乗っていても些細な事で、一気に血が沸騰する。 治しなさい!と言われるのだが、怒り出す前に「はい。怒りますよ〜」と誰かが言ってくれる訳ではないので、とても難しい。 後になって、「あっ!又、怒っちゃった!」と気がつくのである。

気が短いというのは、文字の通り、短くても物理的に長さがある。 短い「気」を大切に育て、最初は5ミリだった「気」も2センチ程度になり、行く行くは立派な大人になれるかもしれない。 ただ、私の場合は、そもそも「気」が存在しない。 ゼロにはどんな数字を掛けても、所詮ゼロのままだ。

 

ホーチミン市内を歩いていると、流しのバイクタクシーに「乗って行かないか?」と声を掛けられる。無視をしていれば、そのまま行ってしまうのだが、時々しつこい奴がいる。 おまけに、Hな店を紹介するとか、ハッパ要らないか?などと余計なことを言れると、ボッと瞬間湯沸かし器のスイッチが入ってしまう。

 

以前、多少イライラもしていたと思うのだが、しつこい奴の首根っこを思いっきり掴み、「うるせー!馬鹿野郎!」とやっちまったことがある。バイクタクシーのおっさんも突然、首を掴まれ、大声を出されたので、驚いて行ってしまったのだが、直ぐに戻ってきて、「さっきはどうして首を掴んだ?お前、●ろすぞ!」とやたらと怒っていた。

 

後をつけられて、後ろからブスッと刺されても不思議な国ではないので、その後は気をつける様にしている。

 

今日、自宅近くの裏道を歩いていると、 向こうから、金髪長身の男性が歩いてきた。 すれ違いざまに、「英語は話せるか?」との事。 少し話せる。と答えた所、妙なアクセントで話し始めた。

 

ラトビアから来たのだが、ホーチミンでバッグを盗まれてしまい、困っている。大使館はハノイにあり、何も出来ず、2日間道路で寝て過ごしたとの事。 気の毒なので、何か手伝えるかな?と思ったのだが、よく聞くと、何か食べたいので、少しお金をくれとの事。 こういう奴は相手にしない。

 

同じ金髪でも、金髪美人だったら。。。いや、ここは外国。。人を簡単に信用していては生きていけない。

 

さて、日曜日の夕方。。。日本なら笑点サザエさんで、締めくくるのだが、ここはホーチミン。 少し奮発して、The Work Shopに美味しい珈琲を飲みに行こうかな。