オラが街に、アメリカがやってきた!!

私が中学2年生の時のお話です。

埼玉県の田舎町の中学校に通っていたのですが、富士重工業に勤務する父親の仕事でフィラデルフィアに行っていた山本真くんが帰国しました。

 

約40年も前の話しです。

 

今では考えられないほど、外国との接点が少ない時代です。 彼の部屋に遊びに行き、見聞きする物の何もかもが、珍しくて、珍しくて。。。

何と言っても、田舎の中学校です。

 

恐らくは、アメリカなんて行ったことの無い、英語の先生の発音はメチャクチャです。 そんな英語の授業中、真くんが音読すると教室がザワザワします。

“おーっ、あめりか人みたい〜”

 

先生も、自分の発音が、ネイティブからあまりにもかけ離れている事に気づいたのか? その後、音読は真くんの担当になりました。

 

成績は決して良くないのですが、私が英語を好きになったのは、真くんのお陰です。 英語は読み書きでなく、格好良く話す事が出来なければ意味がない! それから、真くんの発音の真似をする様になりました。

 

高校生になり英語の授業中、教科書を読み終わった私に対して、“あれっ?海外で生活した事があるのかな?”と先生に褒めて貰ったのは、真くんのお陰です。 その後も私の英語好きは続いており、大学の時にはカナダ人のベビーシッターをしたりしました。

 

彼はアメリカから、SNICKERSやMARS、MilkyWayと言ったチョコレートバーを大量に持ち帰っていました。 いまでこそ、コンビニに行けば、簡単に購入する事が出来ますが、当時は輸入のチョコレートなんて、見たことがありません。 最初に食べた時には、これぞ、アメリカ!って言う、濃厚なチョコレートにショックを受けた事を鮮明に覚えています。

 

音楽面でも、彼の影響を強く受けました。 真くんの部屋には独特の臭いのする、LPレコードがたくさんありました。 国内版と違い、輸入盤ってなんとも言えない良い臭い?がしますよね。 当時、彼の部屋で良く聞いたのが、ForeignerのDoubleVisionです。 私と言えば、唯一持っていたレコードは岩崎宏美さんのライブ盤です。 “Double Visionのギターのイントロを聴いた途端、完全に“やられて”しまいました。 その後、真くんとはロックバンドを組むことになります。

 

フットボールの楕円形のボールも生まれて初めて見ました。 私と真くんとは2年B組だったのですが、B組ではちょっとしたフットボールブームがやってきました。 畑に囲まれた車の来ないアスファルトの道でクラスメートを集めフットボールをするのです。 勿論、ヘルメットもプロテクタも無いので、タックルは出来ません。ボールを持って走っている最中、腰にぶら下げたタオルを取られるとタックルされ倒されたと言う事になります。 49ersクオーターバックジョー・モンタナが出場した、スーパーボウルの奇跡に熱狂したのもこの頃です。

 

その後、真くんは帰国子女として“英語”を最大の武器にして、国際基督教大学高等学校に入学、今は医者として活躍している様です。

 

歳を取ると、昨日、一昨日の事はドンドン忘れてしまうのですが、大昔の事を鮮明に思い出します。