ウチの子達を宜しくお願いします。in Hanoi編

イギリスで39人の密入国者がコンテナの中で亡くなったと言うニュースがベトナムでも流れています。 当初は中国人と言う報道でしたが、ベトナム人らしいですね。

ニュースに対する日本人のコメントを見ていると、結構厳しい意見が多いです。 確かに、

・そんな大金をブローカーに払うのであれば、自国でなんとかなるのでは? ・イギリスで働いたとしても、借金した分のお金を稼ぐことができない?

などなどあります。

確かに仰るとおりです。 ただ、ベトナムの本当の田舎で暮らしている人たちは正しい情報を入手する事ができないのです。 それに、田舎の従順な人たちはころっと騙されてしまうほど、人が良いのです。 ベトナムの送り出し機関で働く身として本当に悲しいニュースです。

 

確かに日本でベトナム人の犯罪は増えているでしょう。 そりゃあ、30万人も暮らしていれば、中には悪いヤツだっていますよ。

 

ホーチミンにだって、悪い日本人は山ほどいます。 程度の差こそあれ、どこの国だって同じでしょう。

 

日本で働く技能実習生が悪さをしてしまったニュースも良く目にします。

 

ハノイだけで300以上の送り出し機関があります。 ウチの様に厳しく教育をしている機関もあれば、単なる金儲けに走っている所も多々あります。 悪徳機関に入学しても、とりあえず日本に行くことは出来ます。

ただ、日本語の教育レベルが低い為に、最低限の会話が出来なかったり、お金を数えることが出来なかったり、最悪、受入企業がブラックだったりする事だってあります。

 

日本で問題を起こしてしまうベトナム人はこう言った、劣悪な環境を経て日本に行く人間が多いのです。 ※何事に於いても例外はあります。

 

ちなみに、ウチ(THUAN AN KYOTO)の学校の卒業生に限って120%間違いはありません。

 

良くも悪くもベトナム人はとても分かりやすい人種です。 日本人の様に腹の奥に見えないものを隠し持っているパターンはとても少ないです。

 

パッと見て「良さそうな人は良い」「悪そうな人は悪い」のです。

 

今、色々なクラスを担当していますが、「悪そうな生徒」は人間なんて一人もいません。 毎晩、午後10時まで補修授業をする私に対して、「先生大丈夫ですか?」「疲れませんか?」など気遣ってくれます。

入学時のハードルが高いので、仮に「その様な人間」がいたとしても、ふるいにかけられてしまいます。

昔と違い、SNSの存在で地球の裏側にいてもリアルタイムで人々の様子を伺うことができます。

 

実習生にしても同じで「あれっ?最近学校で見かけないな〜〜」と思っていると、いつの間にか日本でFacebookを更新していたりします。

 

彼らがアップした写真を見ていると、なんとも不思議な気持ちになります。 つい先日まで、一緒に勉強していたベトナムの若者達が畳の上でご飯を食べていたり(テーブルの上にはしっかりコーラとチリソースがあります)「誰もいない公園」にいたりします。

生徒たちが、「ニッポン」で写真を撮って、日本人である私がベトナムのローカルレストランでPHOをすすっています。

 

彼らを見ていると取り敢えず、楽しそうです。 まだ、若い彼らですから、見る物、聞く事なんでも珍しく興味津々でしょう。

 

でも、仕事は大変ですよ。 特に建築の世界は厳しいですからね。 夏の暑さや冬の本当の寒さにはビックリする事でしょう。

 

でも、私が塗装工業の工事部に居た頃よりは、だいぶ良くなっているでしょうね。 当時の親方たちは、皆さん腕や背中に「模様」が入っていましたからね。 怖いのなんのって。。。

 

実は一見怖いのですが、実はとても優しく、毎晩の様に飲みに連れていってくれました。

 

ウチから日本に行った実習生の多くは「ベトナムの田舎で育った若者」が多いです。 最初は日本でも苦労する事が多いでしょう。 実習生にもよりますが、日常生活で使う会話は出来ます。

 

とても日本語が上手だった実習生から、こんなメッセージが届きました。

 

『日本で人の事を手伝う時、なんと言いますか?』

『手伝いましょうか』です。

 

どうやらとても優しい彼は日本人に『手伝いましょうか』と声を掛けたのですが、無視されたらしいのです。 勇気を出して話しかけた一言が無視されてしまった。 こんなにショックな事はありません。

 

外国人だからと言う偏見は捨てて、彼らに対して優しく接してあげて欲しいのです。 話しかける時、暫くは出来るだけ簡単な単語を使い、出来るだけはっきりと発音してあげて欲しいのです。 頭の良い彼らの事ですから直ぐに上達します。

 

よく考えてください。 彼らは単なる出稼ぎの外国人ではありません。 超少子高齢化を救う大切な人材なのです。

2020年のオリンピック、2022年の万博までは何とかなるでしょう。 でも、それからはどうでしょうか?

 

ファーストリテイリングの柳井さんか言っているように、日本は真っ暗闇です。 実習生の労働力は勿論、彼らの消費、彼らが納めてくれる税金があって初めて日本は存続できるのです。

 

受け入れ先企業は勿論、アパート近隣の皆さん、スーパーやコンビニの皆さん、うちの子達をよろしくお願いします。