日本人として教えられる事を全ての実習生に!いよいよ空手クラス開設!

少し前に、樹木希林さん主演の日日是好日と言う映画を見ました。 茶道がテーマになっているのですが、お茶室で着物をした女性達が畳に手を置き「挨拶をする姿」が美しくハッとしました。

これ以外にも、障子を開ける様、歩き方など、日本文化の所作というのは本当に美しいものなのだなーと改めて感じました。 これは、海外に暮らしているとより一層強く感じる様です。

私の日常生活の中には、畳と言うものが無いので正座をすることが、ほとんどありません。 時々、ベッドの上で、正座をして背筋をシャンと伸ばすと、心の中がスーツとします。

ただ、正座もやり慣れないとダメですね。

柔らかいベットパッドの上でも直ぐに足が辛くなります。

空手をしている頃なんて、『この板、凍っているんじゃ無いの?』と言う様な真冬の体育館でも平気で正座が出来たものです。

 

もう54歳ですから、身だしなみにも気をつけなくてはいけません。 服なんて何でもいーんです。

立ち居振る舞いが大切です。

学校の廊下を歩く時、階段を上る時だって、実習生が見ていますからね。 いつだって、背筋を伸ばし堂々としていなくてはいけません。

 

今の若い人たちは違うのかも知れませんが、我々の年代の血液には、親から『キチンとしなさい』と育てられました。 キチンとすると言うのはどう言うこと? キチンとすると言うことはキチンとする事なのです。

これは特別な事を指しているのでなく、いつ何時人様から見られても恥ずかしく無い様に、立ち居振る舞いに気をつける事です。

これは日本が誇る素晴らしい文化です。

 

我々日本人が日々当たり前のようにしている挨拶一つとっても、海外に出てみると事が分かります。 例えば、実習生に挨拶の仕方を教えます。 テキストに書いてある通り、立位で挨拶をするだけなのですが、我々日本人からみると『変』なのです。

 

これは、日本人とベトナム人の挨拶に対する感覚が違うのですね。 ベトナム人はとても、礼儀正しいですよ。 でも、日本人の心のこもった挨拶というのは、簡単に出来るものではありません。

 

例えば、結構多くの実習生が足が開いたまま挨拶をします。 これ、自分で真似をするとよく分かるのですが、とても気持ちが悪い。 利き手で無い方の手で箸を持ちご飯を食べているみたいです。 また、腰は45度曲がっているのに、顔だけは起きて前を向いてしまっている。 などなど、おかしな所がたくさんあります。 これは、直した事があるのですが、なかなか、正しい挨拶は出来ません。

 

ここは、ベトナムですから、別に日本式の挨拶なんて出来なくたって良いのです。 ただ、彼らはこれから3年間日本で暮らします。 折角、一緒に勉強する機会を貰ったので、『オー、君の挨拶は綺麗だね!』と言われる実習生を育てて送り出したいです。

 

意を決しました。 送り出し機関に空手クラスを開設します。

 

これは、一年前、この機関に加わった時点から考えていた事なのです。 一応、黒帯は持っていますが、私がお世話になった師範曰く、空手は続けていないと『空手をやっているとは言えないのだそうです。』

数ヶ月前、学校内のイベントで一度だけ道着を着ましたが、何年ぶりでしたかね? 記憶に無いくらいです。

 

まずは、自分で稽古をして、最低限恥ずかしくない、突きや蹴りが出来なくては行けません。 ハエの止まるような突きではみっともないのです。

 

先ほど、学校のスタッフから連絡があり、今はあまり使われていないフロアに、わざわざ空手が出来るスペースを用意してくれるらしいのです。 スタッフからは『先生、何という部屋と呼びますか?』と言う連絡でした。 一応、日本ではその様な場合『空手道場』と呼びます。。。

 

さてさて、大変な事になってしまいました。 器だけ大きく先行してしまったのです。

 

どんな道場になるのでしょうか。 でも、日本人としてこの仕事に骨を埋める覚悟は出来ているのです。 日本人として私が教えられることは全て実習生にぶつけるのです!

 

ハアハア。

熱い文章を書いたので、息切れしているのです。 これは、相当な運動不足ですね。