写真の撮り方

20~30歳代、南青山の写真事務所で働いていた事があります。

私の師匠である高柳さんは、今でも現役の商業カメラマンとして活躍しています。

 

先日、日本の知り合いからメールを貰いました。

TAMAさんさすが!元カメラマン!ブログの写真がキレイ!

そう言われると非常に辛い。確かに、ベトナムEOS 7DRICOHのDRは持ってきたけど、一つは重いし、一つは少々型が古い。

と言うカメラマンらしからぬ、理由でブログの写真は全てiPhoneです。ただ、撮ってそのまま使うのは、プロ根性?が許さないので、Photoshopで最低限トーンカーブと色調は補正しています。

iPhoneは凄いね。さっとポケットから取り出し、スワイプ1回で直ぐに撮影体制に入れます。

 

キレイに撮るために幾つか気をつけている事。

シャッターを切る時は息を止める!

今は、殆どのカメラに手ブレ補正機能がついているので、がっちり、カメラを構える必要はありません、でも、拡大すると、絶対にブレています。

iPhoneのモニタの中で構図が決まったら、息をとめて、そーっとシャッターを切ります。

物撮りで次から次へとシャッターを押すような撮影では、都度都度、息を止めるので、最後の方になるとハーハー息が上がってきます。

 

被写体は見ない!

例えば、彼女を撮る時、iPhoneのモニタの中で彼女の位置を決めたら、“もう彼女は見ない!”彼女ばかりに気を取られると、回りが見えなくなります。

彼女は何となく視界に入っている程度にして、iPhoneは傾いていないか?※構図の中に何かしら水平のラインがある時には、iPhoneのモニタの“縁”と水平になるように調整します。

水平が狂うと、非常に気持ちの悪い写真になってしまいます。

又、フレームに入っている木や電柱は邪魔で無いか?邪魔だったら、彼女に近寄るか?カメラを振るか?

 

フラッシュは使わない!

プロカメラマンの撮影はフラッシュ(ストロボ)複数使い、それぞれの光量を調整して、対象物が立体的にキレイに写るようにしますが、iPhoneの場合はレンズの横についている、ライトが1つだけです。

このライトで強い光を被写体に当ててしまうと、どうしても、のっぺりしてしまいます。

出来るだけ、フラッシュは使わずに、撮影してみましょう。ただ、暗いとシャッタースピードが落ちるので、手ブレしない様にしっかりホールドする事が必要ですね。

 

今の世の中、フィルムカメラで写真を撮っている人は、マニアだけですかね。

デジカメは、撮影失敗しても“delete”で終わりますが、フィルムの場合はそうは行きません。感材費(フィルム、現像代)が掛かるので、一球入魂ならぬ、一撮入魂です。

36枚撮りのフィルムでも、モータドライブで連写すれば、ものの数秒で撮り終わり、フィルムを交換しなくてはいけません。

フィルムで撮影した写真には魂が入っていました。

 

昔、こんな事がありました。

高柳写真事務所で新宿のフルーツパーラ高野の仕事を頂いていたのですが、フルーツと花を組み合わせて撮影をします。スタジオに大量のフルーツと花が持ち込まれ、高柳さんが、“どのフルーツ”と“どの花”を組み合わせるか?インスピレーションで決めます。

色々な組み合わせで5カット撮影して、仕上がりがキレイだったので、プリント、額装してスタジオに飾ります。

後日、スタジオに来た方に、5枚並んだ写真を前に、“どの写真が好き?”と聞くと、相当高い確率で1カット目に撮影した写真を選ぶのです。別に、プリントに番号が振ってあるわけではありません。

高柳さんが一番最初に選んだ、フルーツと花、そして撮影した写真はやはり、魂が入った1カットというしか説明がつきません。

 

iPhoneで日常の記録を残すのも、楽しいです。ただ、たまには、足を踏ん張り、脇を締め、気合を入れて写真を撮ってみたいものです。

あーホーチミンヨドバシカメラ進出しないかな。。。