実習生の実家に家庭訪問なのです。ご両親に会うとヒシヒシと責任を感じます。

現在、ガーさんの田舎クワンビンに来ていますが、私の学校にもクワンビン出身の実習生が多くいます。

授業中の設問で『貴方の故郷は何処ですか?』があるのですが、『クワンビン』と言う回答があると、オッ!と反応してしまいます。

クワンビンから来ている実習生に『ガーさん』がいます。

ウチのガーさんと同性ですから、「オッ!」でなく「オッ!オッ!」となりました。 現役実習生の方のガーさんはまだ二十歳でとても真面目な女性です。

 

日本語のテキストを一心不乱に読んでいる様子が印象的です。

 

そして、旧正月に帰京した際に、遊びに行く約束をしたのです。

 

「ウチのガーさん」はベトナム人女性らしく、超超ヤキモチ焼きなのですが、実習生の家に行くことを話すと、喜んでくれました。

一人でコソコソ遊びに行けば怪しいですが、自分も一緒に行ってしまえば問題ありませんね。 それに、私が普段、どの様な仕事をしているのか?実習生に確認することも出来ます。

 

遊びに行く約束はしたものの、彼女の実家はどの辺りか?いつ行く?など、彼女の日本語レベルでは、少々不安なので、具体的なことは全て「ガーさん同士」で決めてもらいました。

どうやら、ガーさんの実家からガーさんの実家までバイクで20分程度だそうです。

 

ヌちゃんも一緒に行きます。

▲これがベトナム式バイク乗車時の正装です。

 

ホーチミンハノイとは比較にならない位空気がキレイなので、マスクは必要ないかもしれません。 クワンビンに来て、5日経ちますが、鼻●ソが全く溜まらないのです。 これには少々驚きました。 出来れば、こういう所で暮らしたいです。

 

広大な畑が続きます。

 

大きな河です。 向こうに山が見えますね。何だか、中国っぽいです。

 

ヌちゃんは、ガーさんと私でサンドイッチ状態です。 バイクに乗って直ぐに、コックリコックリし始めました。

私が居なければ、落とされまいと、お母さんにしがみつく必要がありますが、今日は後ろから私が支えています。 100%私に身を任せて寝ているヌちゃんが可愛くて堪りません。

 

ガーさんの運転なのですが、マラソンの先導車並のスピードです。

それでも、なんとか実習生の実家に到着しました。

 

途中、大きな橋の上まで迎えに来てくれました。 全く土地勘の無い所で、「せんせい、こんにちは」と日本語で挨拶をされると、とても違和感を感じます。

 

彼女の実家は山と畑に囲まれた、小さな家でした。

ウチのガーさんの家と同じ様な様子です。

 

彼女のご両親と弟。 そして彼氏が出迎えてくれます。

学校でボーイ・フレンドの話なんてしたことがありません。 そうか〜二十歳のお嬢さんですからね。 彼氏がいたって全く不思議ではありません。

 

彼氏は近くに住む29歳の男性で、セメントの会社に勤務しているそうです。 9歳年下の彼女ということになります。

 

様子からして、絶対に真面目な青年です。 一旦、彼女と離れ離れになってしまいますが、帰国後は結婚するのか?聞いてみました。

 

彼女のご両親が「3年間待てるかね〜」と話してくれました。

 

ベトナム旧正月らしく、ちっちゃな栗やかぼちゃ、ひまわりの種をカリカリと齧りながら世間話をします。

 

ウチのガーさんはこう言ったシーンになると、とても社交的です。 物怖じすることなく、初対面の相手と楽しそうに話しています。

 

彼女のお母さんが豚肉のCHÁO MỲ SỢIを用意してくれました。 麺料理なのですが、麺は小麦粉で出来ています。

 

こう言った山間の小さな家で、鍋に入った料理を振る舞われると、改めて「ベトナムってい〜な〜」と感じます。

 

とても美味しかったです。 元旦にやって来た日本人にわざわざ手料理を用意してくれるお母さんの気持ちが嬉しいですね。

 

彼女によそってもらい、4杯も食べてしまいました。 ※人様の家で食べ過ぎです。

 

敷地内も少し見せて貰いました。 やはり、牛を飼っています。

牛の餌ですね?

鶴瓶さんが出てきそうですが、家族写真を撮らせて貰いました。

色黒でとても優しそうなお父さん、とても美人のお母さん。 当然、二人共、私よりはるかに年下です。

 

実習生の彼女ですが、例えが適当か?分かりませんが、仏様のみたいな顔立ちをしています。 これは、実際に会ってもらえれば、直ぐにわかると思います。 こんな素敵な笑顔の女性が悪い人もはずがありません。

 

彼女のお姉さんも実習生として、1年前から岡山県で働いているそうです。 二人の娘を遠く離れた日本に送り出すご両親の心境はどんなものでしょうか?

 

普段は300人いる実習生の中の一人として接していますが、こうやって、彼女の実家でご両親と会うと自分の置かれている立場や責任について、改めてヒシヒシと感じるものがあります。

 

彼女は3月、日本に行く予定ですが、お金も稼ぎ日本語も上達して、なにより日本での3年間を安全に精一杯楽しんで貰いたいのです。

 

日本で言うと「家庭訪問」ということになるのでしょうか。 とても、貴重な体験をさせて貰いました。

 

家に帰る途中、亡くなったご主人の墓に連れて行ってもらいました。

 

ベトナムで良く見る、家の様な作りの墓を想像していたのですが、全く違いました。

 

塀で囲まれたとても広い敷地があり、入り口に門の様な壁が立っています。

そして、敷地内の所々に砂山があるのです。 この下に埋葬されているのでしょうね。

 

私もこの墓に入るのか?尋ねてみましたが、「ここ」はご主人の家系のみだそうです。 今回の滞在で、ヌちゃんとは本当に親しくなりました。

このまま何事もなく、ガーさんと結婚することになれば、お墓で眠っている元のご主人の代わりが私なのです。

実習生宅の訪問に引き続き、改めて襟を正すことになった、今日一日なのでした。